X日町

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田舎を訪れたときに電車に乗って外を見ていると、とんでもない山奥に家が並んでいたりして、こんな所にも生活があるんだなと感心する事があります。この国にはいろんな土地があって、いたるところに人が住んでいます。そして、各地にはそれぞれ受け継がれてきた土地の雰囲気とか、ルールがあるのだと思います。

去年の震災のあと、僕のまわりで人が引っ越したという話をよく聞きました。テレビのニュースでも、たくさんの人が移住しているという話をよく見ます。それぞれの引越し先で人と出会ったり、それまでの生活とのギャップを感じたりするのだと思います。そして引っ越した人達と、それを受け入れる人達とが影響を与え合いながら、お互いに歩み寄っていくのだと思います。それは人が生きていく上でとても大切な事です。

そんな折に、新潟県十日町で新しくオープンする特別養護老人ホームで、芸術祭に合わせてなにか企画をやってくれないか、というお話を頂きました。老人ホームとは、僕達若者(!)にとっては全く未知の世界です。移住して、新しいルールの中に入っていき、影響を与え合うこと。この機会を活かして、それを形にしてみたいと思いました。

そこで僕たちは、3ヶ月ほど移住してみることにしました。ただし部屋を借りて引っ越すのではなく、自分たちが住む家から作って、住むことにしました。人が越してきたということを分かりやすく見せるためです。

これは僕達自らが移住者となり、十日町の特別養護老人ホームのそばで生活し、地域と関わっていく過程を記述しながら、6人のメンバーがそれぞれの方法で制作発表を行っていくプロジェクトです。(文:村上慧)

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